懐恋。

最寄り駅に着いたらやっぱり手は離されたけど、アンクレットと携帯で先生と繋がってる気がして笑顔で先生と駅でバイバイが出来た。

「ただいまー。」

「おかえり、遅かったのね。」

「さっちゃん達とお茶してたから遅くなっちゃった。」

「そう、手洗って着替えておいでー。」

お母さんに促されるように洗面台で手を洗って、自分の部屋に行って、制服から部屋着に着替えて何となく携帯を触ったらLINEの通知が届いてて、開けば先生からのLINEでニヤリと笑ってしまう。

「ちゃんと無事家着いたかー?」

その一文には先生の優しが溢れてて、嬉しくなった私は返事を返すとまたすぐに先生から返事が届いて、くだらないやり取りなんだけどそれでも私は楽しくて、ずっと携帯とにらめっこしてると

「明音ー?部屋から降りてこないで何してるの?もうご飯よー。」

「はーい、今行くー。」

階段下からお母さんに呼ばれてもう夕食の時間になってる事に驚いた。携帯はひとまず置いといてリビングに行けばお父さんも弟も食卓に座っていた。

「あら、明音なんか笑顔だけどいい事あったの?」

お母さんに突然そんな事を言われれば

「なに?姉ちゃん早速彼氏でも作ったの?」

と弟に変な事を言われ

「は?彼氏だと?どこのどいつだ?」

ってお父さんは同様してるし

「彼氏なんて居ません!いただきます!」

平然を装うのに必死になった。