(蓮side)

『明日のバレンタインライブ、盛り上がるように一口チョコとか投げてみちゃう?』

「おっ、それいいな。蓮、言い出しっぺが用意しろよ?」

バンドメンバーの凱がお菓子を食べながら、そんなことを言う。

『凱のくせになんかムカつく。』

「なんだよ、それ?」

『柚乃にチョコ貰えなくても慰めてやらないからねっ!』

「なんだよ、それ~!こわいこと言うな。」

「まぁまぁ。ケンカしない。」

仲裁に入るのはもう一人のバンドメンバーの祢音。

「一緒に買いに行こうか、蓮?」

優しい優しい私の彼氏、桐の声もする。

『うん、ありがとう、桐!』

笑顔で頭ナデナデしてくれる桐。

いつでも甘々優しい桐に、私は頼りっぱなし。

これでいいのか、不安になるときもあるけど、桐がいいって言うから、流れに身を任せてます。

ちなみに今日、帰ってから桐のチョコは手作りします。

ついでに凱と祢音の分もね。

あっ、幼なじみの碧も来るって言ってたから、用意しとこう。

虹の分もないとスネるかな?

それはそれで面白いかな?

いや、きっと泣いて面倒だからちゃんとあげよう。

さぁ、明日のライブ頑張るぞ!