僕の全てを溶かしてしまうような……
そんなキスを捺夜は僕にくれた。
息をする暇もないほどの激しいキスに変わる。
捺夜は、僕の後頭部を手でおさえたまま、余裕そうにキスを続ける。
やっぱり、僕は捺夜が好き。
こんな激しいキスをしてくれて、それでも優しい捺夜が好き。
捺夜を諦めるなんて……
出来ないよ………。
数分後、僕と捺夜の唇はお互いに距離を作った。
「お前の唇……こんなに柔らかいのな……?」
僕の唇を傷ひとつない、綺麗な指でスーッとなぞりながら、
フッとクールに笑う捺夜に僕の心臓の鼓動はどんどん早まる。
ヤバイ………
カッコ良すぎだよ……。
「なんか……姉弟でキスなんかしてるって母さん知ったらヤバイ事になるだろうな?」
――――――ドクン!!!!
捺夜の一言で一瞬、頭の中が真っ白になったんだ。
「遼が好きなはずなのに……ウチ、何弟に手ぇ出してんだろうな?」
「だったら、僕を好きになればいいじゃん?」
僕の言葉に捺夜はまた、驚いた。
少しの冷や汗をかきながら。


