僕は、ドキドキしながら優しい目をした捺夜を精一杯見つめた。



「なんか、後少しでキスできちゃう距離だね?」



捺夜は、フッと笑って



「なんなら、キスしようか?」



と、聞いてきた。


僕は、捺夜が冗談で言っているのは分かっていた。



けど。




「いいよ?」



「は?」




僕は、捺夜の頬に自分の手を当てて、真っすぐにと捺夜を見つめた。



捺夜は、顔色ひとつ変えず


「バッカだなぁ、お前は。冗談に決まってんだろ?」


捺夜は、笑いながら僕の頭をワシャワシャと撫でた。



「僕は、本気だよ?」



捺夜の笑顔がどんどんなくなり、真顔へと早変わりする。



「僕は、捺夜と……キスがしたいって思ってるよ?」


次の瞬間、捺夜が僕を強く強く抱きしめた。




「お前は馬鹿だなっ……ホントに………」



「馬鹿でいい。捺夜の事でなら、どんな風になっても構わないよ……」



「馬鹿だな……」



捺夜は片手で抱きしめたまま、僕の顎をクイッと上げて僕を見つめて、



甘い甘いキスを落とした。