「それって……どういう事ですか?」



「そのまんまです。頭に強い衝撃を与えてしまったせいで、記憶が交ざり、記憶同士の内容が交換された事です」



お医者さんが延々とお話する。



「あの……それって治るんですか…?」



遼くんが、抑え抑えでそう言った。



でも、それを聞いたお医者さんは息を詰まらせながら



「今まで、何回かこの障害を見てきましたが……過去に治った例は………………ありません」



「え…………?」



嘘………。



ガタっ!!!!!




翔夜くんが走ってどこかへむかって行ってた。




「翔夜くん!!!!!」




あたしは翔夜くんが心配で、翔夜くんを必死で追いかけて。



中庭の所でやっと捕まえる事ができたの。




「翔夜く……「わかってるよ!!!!!」



え?


突然、翔夜くんがあたしの声を遮った。



「これは仕方ない事ぐらい……わかってるよ?」



「翔夜くん……」



「でもっ……!!!!」



翔夜くんはあたしの方を向いて、涙を流した。
あたしは、翔夜くんを抱きしめて頭を撫でた。



翔夜くんは何度も何度も捺夜って言ってて、あたしまで悲しくなっていた時。



「万優架ちゃん…」



翔夜くんが顔を上げたの。太陽の光で涙はキラキラしていた。



「僕と…………付き合って……?」



「え?」



「僕のキモチから捺夜を追い出してっ!!!!!」




翔夜くんは、捺夜さんの物なのに……。


二人は両思いなのに……



あたしはやっぱり



「わかった………」





翔夜くんが好きなの……




捺夜さん、ごめんなさい




翔夜くん、









…………ごめんなさい。