華が馨れば

「ねぇー、紫苑ちゃぁん、どうしてここにいるのかなぁ?」

1人の女子がわざとらしく少女に聞いた。

少女の顔が青ざめる。

駄目。
逃げなきゃ。

「ねぇ、紫苑ちゃん、ここから落ちて死ぬつもり?」

「ち、違うわよ。」

咄嗟に思いついた嘘をついた。
でも、声が震えている。

少女は、紫苑といった。