華が馨れば

「紫苑…………」

涼香は、私の手から紫苑の私物の箱を取る。

「ごめん、ね。あた、私が、悪いッ!」

体の力が抜け、涼香はペタンと尻餅をついた。

プツンと、何かが切れたように、わあっと、号泣し始めてしまった。