華が馨れば

「紫苑、受験するらしいって聞いたから、仕方ないと思った。でも、落ちちゃって。紫苑は私にきつく当たった。」

「ねぇ、涼香?」

「ん?」

「あのね、紫苑は、そのことをずっと後悔していたみたいだよ。」

「何故、そんなことが言えるのよ!?」

「見て。」

私は、元紫苑の私物の箱を開けた。

中には、幼い頃の紫苑と涼香の写真が何枚も入っていた。