華が馨れば

「涼香、この間は良くやったわね。」

「はい。」

少し暗い声で涼香は返事をした。

涼香は、悔やんでいた。
紫苑を殺したことを。

でも、悔やんでも悔やんでも、戻らぬことは同じ。

実は、涼香は自首しようと思っていたが、悩んでいた。

(全部、あなたが悪いんじゃないの。私は悪くなんか無いわよ………きっと。)

涼香は、他人のせいにして自分を守り続けた。