華が馨れば

「翔華!?」

私がクスクスと1人で笑っていると、クラスメイトが「大変!!」と、教室にかけ込んできた。

「どうしたの?」

ハアハアと荒い呼吸をするクラスメイトを私は見つめる。

「涼乃さんが倒れていたあたりに、血で!血でぇ!」

涼乃さんとは、紫苑の名字だ。

「紫苑がどうかしたの!?」

私は冷静を装ってクラスメイトに聞いた。

「あのねっ!地面のコンクリートにねっ!」