華が馨れば

「こんにちは。」

「お越しいただきありがとうございます。」

紫苑の母親が紫苑の遺品を取りに学校に来た。

「全く、馬鹿な子だよ、自分で死ぬなんてさ。」

母親は、ほとんど悲しいすぶりは見当たらない。

その声は子を亡くした親にしては、少しトーンが高すぎる気がした。

まるで、あの人、紫苑がいなくなったのを喜んでいる、そんな感じが。

「翔華?」

友達の沙也加が私に聞いてきた。

「フフフッ。なるほどねぇ。」