私に声をかけてきた人物は、
佐伯先生だったのには驚いた。

憧れていた先生が……何故か
私の隣に座ろうとしてきたからだ。

「もしかして誰と座る予定だった?」

「あ、いいえ。どうぞ、どうぞ」

私は、慌てて承諾する。

「ありがとう……」

爽やかな笑顔で言うと椅子に座った。

ど、どうしよう。

前の私なら仲良くなるチャンスだのと
大騒ぎにしていただろう。

しかし今は……好きなのは、藤沢先生だ。

前みたいに盛り上がらないけど
やっぱり近くで見るとカッコいい……。

違う意味でドキドキしてしまった。

「あ、三宅さんは、お弁当なんだね?」

「えっ……は、はい。そうです」

何で名前を知っているのだろう?
名札を見たのかな?

「そうなんだ~いいね。
俺は、会社のお弁当だからさ
もしかして君が作ったの?」

えっ……?

藤沢先生と似たようなことを言ってきた。