あれ……?

もしかして私に釣られて
照れてしまったのだろうか?

エレベーターの中は、密室。

何だかお互いに微妙な雰囲気になってしまう。
心臓がドキドキと鳴ってうるさい。

5階に着くと先生は、

「じゃあ……」

それだけ言うと先に降りてしまった。

私も慌てて降りるが
まだ心臓がドキドキとずっと高鳴っていた。

うぅっ……恥ずかしかったわ。

その後は、通常に仕事をこなすが
つい藤沢先生のことを考えてしまった。

お昼休憩になると
私は、お弁当箱を持って食堂に。

藤沢先生……居るかな?

ドキドキしなから食堂に入るが

まだお昼休憩ではないのか
居なかった……残念。

がっくりと肩を落とした。

由恵は、すでにお昼休憩を済ましてしまったので
私1人で食べることにする。

せめて他の助手さんや仲のいい看護師さんでも
居たらいいのになぁ……。

こういう時に皆は、居ないし。
私がいつも遅くなるのも原因なのだけど……。

ハァッ……とため息を吐きながら
1人で座って食べていると

「あの……ここの席。座ってもいいかな?」

1人の男性が声をかけてきた。

えっ?

驚いて振り返ると佐伯先生だった。