「仕事が。百花の働きっぷりは、
いつも見ていたから分かる。
よくバタバタと走り回っているところを
見かけていたからな」

藤沢先生は、そう言ってきた。

えっ……いつも見てくれていたんだ!?

バタバタと走り回っているのを見られるのは、
恥ずかしいけど……私に気づいてくれるのは、
とても嬉しかった。

いつから気づいてくれたのだろうか?

「そ、そんなことないですよ……先生方に比べたら。
私なんて、資格とかある訳ではないし」

実際に医療として動いているのは、
医師や看護師達だ。

私達、助手は、あくまでもサポートのみ。

いざ患者が異変が起きた時に
資格のない私は、何も出来ない……。

すると藤沢先生は、

「だが、君達……助手が居るお陰で看護師が
自分の仕事を優先してやれる。それは、
俺達……医師にも助かることになる。
百花らは、縁の下の力持ちってヤツだな」

そう言うとクスッと笑ってくれた。

縁の下の力持ち……。

まさか、藤沢先生にそんな風に言って頂けたのが
凄く嬉かった。

「あ、ありがとう……ございます」

必死にお礼を言うが
きっと耳まで真っ赤だろう。

「………。」

すると先生は、背中を向けたまま黙ってしまった。
見てみると先生まで赤くなっていた。