シャンデリアや絵画、派手な柄の壺、草花模様の椅子やテーブルなど、高そうなものがたくさん並んでいる。


「お座りください。」

「えっ、いいんですか! 壊さないように、そっと座ります。」

「これ、そんなに値段は高くないですよ。緊張しないでね。」


そんなに値段は高くないって言っているけど、そういうものをたくさん買っている人にとっては安値かもしれない。

貧乏な家に生まれた私には超高いと感じる。


「はい。紅茶をどうぞ。」

「えっ、すごい!」

「名古屋で買ったんだ。金箔入り。1缶あげますよ。」

「お仕事上、受けとることはできません。本当は欲しいんですが。」


こんな高そうなお茶を入れて出すなんて。

あやしいもの混ざってないよね?

一口飲み、あやしい味はしなかった。1回でグイグイ飲んでしまった。


「おかわり、あるよ。」

「いいえ。」


私は今、仕事している。遊びに来たんじゃない。

仕事にうつろう。