祐也と私と一平先輩

「一平お疲れ様」


「ああ、清良もな」


二人は司会者としてずっと仕事をしていた。

クラブが始まってやっと一息つけたんだろう。



「ねえ、あの噂.....」


「......」


私は黙って小坂くんの顔を見上げる。



ここから引き返すとだいぶ遠回りになってしまう。


きっと彼も、このまま進むか引き返そうか困っているんだと思う。


「引きかえそうよ」


小声で話しかける。


だって二人を邪魔したくない。

なんとなくそんな思いが私の心を支配していた。