祐也と私と一平先輩

どうして手をつないだままなの?

ドギマギしながら彼の顔を見上げる。


「あの、手を.....」


「まったくドジだな。やっぱりお前はカバ子だな」


彼は私の言葉を無視した。


「ごめんね」


「別にいいけどさ」



小坂くん....手。


言い出せないまま保健室に向かうために、体育館の裏に差し掛かった時だった。


話し声が聞こえる?

”はっ?”としたのは私だけじゃなく、小坂くんもだったみたいで。

一瞬足が止まる。

おそらく声の主は、一平先輩と清良先輩だと思う。