祐也と私と一平先輩

「触ったのかっ?!!」


「うん....」


「バカ来いっ!!」


ライト担当の生徒にガムテープを渡し、後のことを頼むと、
小坂くんは私の手をつかみ、階段を駆け下り体育館の外へ飛び出し、体育館の横にある水道へと走った。


勢いよく蛇口を回し、流れ出た水に私の左手を水につける。


彼の顔はいつになく真剣だ。


激しく流れる水の音だけが二人の間で聞こえる。




「.....小坂くん」


たまらず声をかける。


「もう少しこうしてろ。ライトは100度になることあるんだ。
ヤケドの後が残ったらどうする」


「.....う、うん」


気迫のこもった声に私は黙り込む。