祐也と私と一平先輩

小坂くんはコーラを買うと、壁にもたれた。


「カバ子は彼氏いない歴15年ってとこか」


”プシュ”炭酸がはじけて、彼はゴクゴクとコーラを美味しそうに飲んだ。




まだドキドキしてる私に他人を気遣う余裕なんてない。

それなのに小坂くんはジュースを買ってくれるなんて。

この差ってなんだろう?

小坂くんはキスの経験あるから余裕なのかな?


手の中のペットボトルはもう汗をかいてる。
まるで私が汗をかいてるみたいに。



ひと口飲むと、冷えたジュースは興奮した私を落ち着かせてくれる。


「あんなの、漫画の世界のことだと思ってた」


彼の隣に行くと同じように壁にもたれる。




「今どき珍しくね?まさか純情ぶってるとか?」


はっ?

ちょっとそれどう言う意味?


「ちょっと!?何を根拠にそんなセリフ出てくるかなっ?」

ムキになるところが、キス未経験者をアピールしてるみたいだったけど、今の私にそこまで考える余裕はない。


「悪りぃ。彼氏いない歴15年だもんな」

意地悪に笑いながら歪む口元。



くそっ、こいつ完全バカにしてる。

15年間彼氏いなくてすみませんねっ。

どうせ小坂くんはモテモテで彼女いたんでしょうねっ!

彼女といっぱいキスしたんでしょうねっ。