「あれ?そうだっけ?」


アワアワする私。

そう言えば、スクバ軽かったような?



「朝、お前の家の前通った時
おばさんが『持って行ってくれ』って」


「あ、ありがと」


顔を赤くしてお弁当バックを受け取る。


「お前、財布も忘れたろ。これじゃ学食にも行けないな」


先輩は隠していた私のお財布で、柔らかいブラウン色の私のセミロングの頭をポンポンする。


「ひゃっ」


叩かれた頭を手で押えながら、益々顔が赤くなる。


「昼飯どうするつもりだったんだろうなぁ?
綾乃がアタフタしてる姿が目に浮かぶよ」


意地悪な瞳で私の顔をのぞき込む。


「ひどいよ、一平くんっ」


「だから~.....一平先輩ね。ったくもう忘れたの?」