祐也と私と一平先輩

私はゆっくり足を水にもどす。


「冷たいけど....気持ちいいかも」


「だろー」


小坂くんと目が合うと、二人で”あはは”声を上げて笑った。



「マジ懐かしいなここ。水が張ってあるってことはまだ使ってるんだな」


「知らなかった。ここにもプールがあるって」


「下から進学してきた連中しか知らないだろうな。偶然体育の授業と小学生のプールの授業が重なればわかるだろうけど。
可愛いんだぜ、ちっこいのがプールバックもって列作って歩く姿」


「あは、小坂くんもそこにいたんだ?」


「当たり前だろっ」


おでこをコツンと叩かれてしまった。


「こんな景色がよくて、おひさまが輝くプールだったら、
子供たちきっと楽しくて大騒ぎだね」


「当然っ!!」

小坂くんは昔の記憶を探るように笑顔を向けると大きくうなずいた。