祐也と私と一平先輩

「ふ~ん」

首の後ろに手をやりながら小坂くんはうなずくと、


「ちょっとサボろうか?」


私の手をつかむと、有無を言わせず走り出した。


突然のことに体が”ガクン”と転びそうになるのをなんとかこらえて、小坂くんに手を引かれるまま私も走り出す。


「ちょ、どこ行くの?」


「いいからっ!」


体育館の階段を駆け上る。


上?


でも上にいったって何もないはずだけど?