祐也と私と一平先輩

とにかくっ!!

こ、ここから逃げなくちゃ。


緊張と恐怖で鼓動が早く鳴る。


早く、早くっ。


気持ちとは裏腹に体が動かない。




「ねぇ、一平は君にどんなキスをしてくれるの?」


ソファがきしんだ音を上げる。


棚倉先輩が迫る。


「きっと優しくキスしてくれるんだろうね。
君を抱くときの一平はどんな顔してる?」


一体何を言ってるのこの人?

だからまだつきあってないってばっ。

身の危険を感じた私は、緊張のあまり立ち上がろうとした瞬間、足がもつれて、


「おっと危ない」


棚倉先輩に腕を掴まれる。


「きゃっ」