祐也と私と一平先輩

「そ、それは私にはわかりません」


「.....嘘ばっかり。一平は君を選んだはずだよ」


どうして知ってるの?
一平くんはこの人にそんな話をしていたの?


「清良は何でもソツなくこなすし、勉強も良くできる完璧女子でしょ?自分と君を比べてどうして一平が君を選ぶのか納得いかないらしんだ」


「私も一平先輩には清良先輩のほうがお似合いだと思います」


「へぇ?」棚倉先輩は相変わらず笑みを浮かべている。


「一平にとって清良はいい戦友なんだって。
こないだも『頼りになるし、清良のおかげで生徒会はやりやすいし、いなくなったら困る存在』って言ってたよ」





棚倉先輩の言葉が胸に突き刺さった。


それは好きとか嫌いとか恋とかの問題じゃなくて。


結局、一平先輩だって私は出来ない子って思ってたんじゃん。


ポンコツだけど見守りたい....か。


やっぱり複雑な心境。


切なくて悲しい。

だったら清良先輩とつきあえばいいじゃん。

どうして私なの?

一平くんが清良先輩を選んでたら、もう少し生徒会だって楽しくできたのに。

何故なの一平くんっ。


ジワッと涙が湧いてくる。