祐也と私と一平先輩

「一平はいいヤツだよ」


棚倉先輩は眼鏡を直しながら話題を変えてきた。


「あの、ご存知なんですか?」


「さっき言っただろ。僕も生徒会役員だったって。去年は一平が会計監査で僕が庶務。去年一平が役員だったって知ってるでしょ。
ついでに今は同じクラス」


「....すみません」


またやっちゃった。

どうして私って鈍いんだろう。

話を関連づけて考えるの苦手かも....。
あは、バカってことだよね。


多分こんなところが清良先輩をイライラさせるんだろうな。

もっとしっかりしなくちゃ。


私は自嘲気味に小さくため息をついてしまった。


「清良もピリピリするわけだ」


へっ?!

今なんて?