祐也と私と一平先輩

わわ....どうしよう。

さっきから散々独りごと言ってたの全部聞かれてた?

ヤバいって、絶対ヤバいから。

焦りと恥ずかしさから自分でも驚くくらい一気に火照る。


「君も色々大変みたいだね?」


にっこりと笑う棚倉先輩の表情は『君の独り言を聞いてました』
と言ってるようだった。


ア然と立ち尽くす私に棚倉先輩は、


「僕も去年生徒会役員だったんだ」


「ほら」と、生徒会室の鍵を私の目の前で”シャラ”と揺らす。


「返しそびれてそのまま持ってる」


いたずら小僧のような笑顔を作る。


「でさ時々ここで昼寝してるんだ」


そうでしたか、それで電気もつけずにいたんですね。

って、そうじゃないでしょ、納得してる場合じゃなくて。