祐也と私と一平先輩

「こんにちは」


物置部屋から姿を現したのは.....知らない人だった。



だ、誰っ!?


「ふあぁ~」


間の抜けた様子でその人は大きなあくびをした。



「あ、あのっ?」


「ああ、君は確か会計の海崎 綾乃ちゃんだったね?」


どうして私の名前を?

軽いパニック。


「そんな怖い顔しないでよ。僕は三年の棚倉 京也(たなくら
きょうや)初めましてだね」



そ、そうだ。生徒会役員の氏名なんて割とな感じで全校生徒に知られていたんだ。

何故かそんなことに遅ればせながら気づいたりして。



棚倉先輩は茶色のサラサラした髪に細身の眼鏡をかけ、物腰の柔らかい印象の人だった。