私は口元だけで笑ってみせた。


「へー、昨日何んかあったわけ?」



「.....ん」


あいまいな返事を返す。


「ちょっと何?正直に言いなさいよっ」


玲奈が頭をぐりぐりしてくる。


「痛いからっ!」


玲奈の手を振り払う。


「綾乃っ?!ちょっとどうしたの?」



私は勢いよく椅子から立ち上がると教室を飛び出した。


「綾乃っ?!」

玲奈の声は虚しく空を切っただけだった。