祐也と私と一平先輩

「お前びしょ濡れだな」


小坂くんが濡れて目にかかっていた私の前髪に手を伸ばす。


「あはっ小坂くんだって」


私たちは髪から制服、スクバすべてびしょ濡れだった。



「綾乃は目が見えたほうが可愛いんだ」

そう言って髪をかき分けると私の髪から手を離した。



えっ?

今、綾乃って?

カバ子じゃない。

そんなちょっとしたことにドキンとなった。


「しばらくここで雨宿りだな」


「あ.....うん」


雨はしばらく止みそうになかった。