祐也と私と一平先輩

「こっちだ」


小坂くんは私の手を取って走り出した。


”パシャパシャ”


水しぶきで地面が音を立てる。


その中を小坂くんに手を引かれてただ走った。


どこへ行くの?


顔に雨がかかって視界が良く見えない。



今なら泣いても雨でごまかせるかな?


ううん。


気軽に生徒会役員なんて引き受けた私が悪いんだもん。

自分の責任なんだから。

.....泣いちゃダメだよ。



ただ....彼の、小坂くんの手が暖かかったからちょっと感傷的になっただけ。

泣いちゃだめ。

でも私の顔を濡らすのは雨なのかな?それとも涙なのか....な。