祐也と私と一平先輩

小坂くん腕痛いよ。


思ったけど口には出さなかった。


真っすぐ前を見つめる彼の目がとっても怖かったから。



校門を出てしばらく歩いてやっと彼は私の腕を放してくれた。



「清良さんもろくなヤツとつきあってねぇな」


吐き捨てるように小坂くんは言う。


私は無言で彼の言葉を聞いていた。


ただあそこから離れたことに少しホッとしていた。

小坂くんが来てくれて良かった。

そう思っていた。



「女王さまやってんだろうな。多分」



頭ん中ごちゃごちゃで、おまけに色々ショックで小坂くんに答える気力が....まだなくて私は返事をしなかった。