祐也と私と一平先輩

「ねー、身の程を教えてやったほうが良くない?」


「それもそうね」


どうやら三年女子二人は私のほうに近寄ってきそうだ。


わー、ヤバい。


私は目を合わせないようにとっさに視線を足元に落とす。

そんなことをしたところで、その場から逃げない限り向こうは近寄ってくるんだけど。

小坂くんとの約束もあるし、私はここを動けない。


.....ついてないなぁ。


”ジャリ、ジャリ”


地面を歩く足音は確実に近づいてくる。


あーもう最悪。

天を仰ぎたい気分だけどそうすることも出来なくて。


と、私の落とした視線の中に茶色のローファーが入った。



「ちょっと、あんた」


あーもうなんでこうなるの?


私はあなた達なんて知らないのに。


向こうは私を知ってる。

これも生徒会役員のせい。