「清良も待ってるし行こう」 祐也の肩を”ポン”軽く叩くと、一平は歩き出した。 その背中に、 「先輩っ!俺は....綾乃のことは引けません。男として絶対に。 綾乃はあなたに渡さない」 「まあ、頑張ってくれ」 一平は振り返ることなく、 ポケットに入れた右手を軽く上げると、 そのまま校舎の中に消えて行った。 「俺は負けない」 呟く祐也の言葉を、無駄に照りつける太陽が、 ジリジリと焼いているようだった。 ◆◇◆◇