祐也と私と一平先輩

────気がつけば、いつの間にか駅まで来ていた。


「じゃここで。俺たちは徒歩だから」


「「 えー、先輩電車乗らないんですかぁ?残念っ 」」


「ああ、またね」


手を振る一平先輩。


「先輩ともっとお話したいよぉ」

「これから、ファストフードとか行きませんか?」


駅前で先輩を囲んで大騒ぎ。

なにごとか?とこちらに視線を向ける通行人。


さすがの先輩もちょっと困り顔で、

「また今度でいいかな?」


「一平先輩に迷惑だよ」


玲奈もクラスメートを諭す。



「「 そうだね。気がつかなくてすみません。
今度私たちと遊んで下さいねっ。先輩さようなら~ 」」

名残惜しそうに手を振って彼女たちは駅の中へと消えていった。



彼女らを改札で見送ると、私たちは歩き出す。


駅を越えた先の住宅街に私たちは住んでいる。


一平先輩、玲奈、そして私。みんな同じ中学の同窓生だった。