祐也と私と一平先輩

全然わかんないよ....。

高校になってから急に勉強難しくなった気がする....。

「授業が簡単すぎてつい寝ちまったんだよなぁ、海崎」

先生のイヤミな一言。


うっ.....。

黒板の前で棒立ち状態。

クラスの視線が背中に刺さってる気がして、
余計につらい....。

黒板の前でチョークを持ったまま、まるで銅像のように微動だにしない私を先生の呆れた声が包む。


「おいおい、出来ないならちゃんと授業聞いとけよっ。
これじゃあ時間の無駄だ。席に着けっ。
.....じゃあ、小坂やってみろ」


「はい」


私と入れ変わりに小坂くんが前に出る。


何の躊躇もなくチョークを取ると、黒板に英文を走らせる。


うわー!凄い。スラスラ解いてる。


「正解だ」

うんうんとうなずきながら、満足顔の先生。



涼しい顔で小坂くんは席に戻る。


へー、小坂くんて頭いいんだ。