祐也と私と一平先輩

子供の頃みたいに、もう怖くなんかない。


あっという間に先輩の隣に座る。


思ったより低い?


子供の時はあんなに高かったのに。



私も成長したんだ。


子供の頃の達成感。あの感動がよみがえると思ってただけに少し違ってたのが寂しい。



「俺も綾乃も昔のままじゃない」


私の心を見透かしたような先輩の言葉。



「うん、そうだね」


寂しく笑う自分がいた。


でも、私は先輩の言葉の意味を、正確に理解してなかった。