祐也と私と一平先輩

深夜の夜の街は人の気配は全くなかった。

街灯が照らす影はたったの二つ。


「勉強の息抜きに、時々抜け出して公園行くんだ」


「一平くん一人で?」


「ああ」


「怖くないの?」


「俺男だよ。綾乃だったら危険だろうけど」


先輩は私に微笑みかけると、つないだ手の力を更に込めた。

どうしたんだろう私?
先輩にそうされてキュンってしちゃう。


「.....スプパでさ、小坂が綾乃の手を引いてただろ?
保健室行くからって。俺、超ムカついた」


先輩.....?


「綾乃の手を引くのは、昔から俺だけなんだ」



思わず立ち止まってしまった。



「ん?どうした?」



「一平くん....あの.....」



「公園すぐそこ」


強引に私の手を引いて、先輩は歩きだした。