高校2年
私、七瀬里衣（ななせ りい）
幼馴染のシヲと南美（みなみ）と一緒にお弁当を食べながら小さい画面を覗き込んでいた。
「こことかどう？」
「…いやあ、遠くない？」
「だってここら辺にはないよ」
もうすぐ夏休み。
私達の話題は夏休みの予定で持ちきりだった。
毎年恒例のかき氷食べ放題に行くことはもう決まっている。
あと一つ大きなイベントがほしい。
「あ！プール！プールとかいいじゃん」
南美はプールで泳ぐ人たちが映った画面を見せながら目を輝かせていた。
「プールねぇ。…俺、泳げないんだけど」
「じゃあ、浮き輪持って行って！…里衣は？プール行きたいよね？」
南美の提案に私は大きく頷いた。
プール、楽しそう。
なんで今まで行かなかったんだろう。
一昨年は近場のお祭り。
去年は近場のB級グルメ祭。
そして今年は近場のプール。
うん、泳ぎまくって脂肪を燃やそう。
