「ごめん。あのさ、亜樹と元カノが別れた理由を元カノの気持ちが重すぎてって言ったんだけど実は亜樹が里衣に一目惚れしたことがきっかけなんだよ」
シヲの真剣な顔に私はどういう顔をすればいいのか分からない。
どういう反応をすればいいのか分からない。
よく意味がわからない。
「だからね!今年のプールも亜樹くんがシヲに頼んだんだって!一緒に入れてほしいって!里衣と話してみたいって!」
そんなことある?
私は騙されないんだから。
「ねえ。里衣は亜樹くんのことどう思ってるの?好き?好き?好きなら両思いなんだよ」
南美の言葉に頭がパンク寸前だ。
…
好きじゃない。
確かにプールの時はドキドキしてたし楽しかった。
けれど今はもうそんな気持ちはないのだ。
友達になれたのかもどうか分からない。
「……彩花ちゃんはそのこと知ってるの?」
「いや。知らないと思う。亜樹は『お前に気持ちがなくなった』って言って振ったらしいし」
…
はあ。
落ち着こう。
私と亜樹くんは何もないんだから。
亜樹くんだって私を友達として好きって言っただけだ。
それでいい。それがいい。
「もう亜樹くんの話したくない」
「…ごめんね。里衣の気持ちもあるのに。ごめんね?」
授業が始まる。
教科書、ロッカーから持ってこなきゃ。
