「あ!…南美!シヲ!こっちこっち!」
ウォータースライダーで完全燃焼してる2人に手を振る。
亜樹くんはよっぽどお腹が空いていたのか焼きそばを黙々と食べていた。
「焼きそばあるじゃ〜ん!俺も食う」
「はい、これね」
「私も!あ、待って。飲み物は?私買ってこようか!皆、何がいい?」
4人テーブルが一気に騒がしくなる。
楽しい。…
それにドキドキしてる。
亜樹くんに惹かれてる自分がいることにはまだ気づきたくない。
だって…傷つきたくないし。
友達だ。
私たちは友達。
「私、オレンジ」
「俺もオレンジ!」
「亜樹くんは?」
「あ、じゃあ俺も…オレンジ」
「ハハッ。どんだけ仲いいの?皆、オレンジね」
ビショビショの手で財布を持ってスキップをしながら売店に行く南美を見て笑う。
「ねえ、何回ウォータースライダーやったの?」
勢いよく焼きそばをすするシヲ。
口の中にたくさん焼きそばをつめこんだせいで上手く話せないようだ。
その代わり、彼は両手を大きく開く。
「え!10回?」
コクリと頷くとまた焼きそばを食べ始めた。
すごいなぁ。あんなに並んでるのに。
10回も滑れたんだ。
