シヲを1人にしておくとすぐに女の子がそばに寄ってくる。
それは昔からだから慣れてる。
けど今日はあのイケメン亜樹くんも一緒だから女子の量が2倍だ。
こわい。
「あのぉ〜!すいません。……シヲ!電車の時間があるんだから早くしてよ」
シヲの腕をゆさゆさ揺らす南美。
「ごめんって。……ちょっと待って」
南美と南美を睨みつける女子軍団の間をシヲが立つ。
亜樹くんはただポケットに手を入れて突っ立ていた。
「その人誰?……てか連絡先交換しよっ!」
女子軍団のボス的な人が携帯を取り出してシヲの横に立つ。
かなり美人だなあ。
「シヲってモテるね」
コソッと私に話しかけてきた亜樹くん。
今まで話したことなかった私は緊張してただ頷くことしかできない。
シヲだけじゃなくて亜樹くんの力もあると思うんだけど。
「…ごめんなさいねぇ。この人、俺の彼女なんで。あなたの連絡先とかどうでもいいし。忙しいんでどいてください」
南美の頭を掴んで自分の方に引き寄せるシヲ。
よく見ると南美はまたかと怪訝な表情を浮かべている。
