『もしもし〜?』
ママから逃げるように階段を上がる。
しょうがない、日焼け止め塗るか。
『いい天気だねぇ!本当楽しみ!10時に駅行けばいいんだよね?』
『そうだよ!ってか駅まで一緒に行こうよ。南美の家に50分くらいに行くからさ』
部屋に置いてある時計を見ると9時25分。
日焼け止めをサラッと塗ってプールバックに押し込んだ。
『おっけい。ねえねえ、亜樹くんと初めて遊ぶじゃん?大丈夫かな』
全然大丈夫じゃないけど賛成したのはあなたでしょう。
少し呆れつつももう決まってることは変えられないんだから楽しむしかない。
『知らないけどいいんじゃない?…シヲも男友達欲しいだろうしね!』
『まあね!いやあ、私緊張しちゃう!』
やばい。そろそろ髪の毛セットしないと。
『ごめん。じゃあまたあとでね!』
『え?…あ、はーい!』
一方的に電話を切る。
ごめんね、南美。髪の毛セットしとくの忘れてた。
ポニーテールかな。
うん、ポニーテールにしよう。
ヘアアイロンでクルクルにしてから結ぼう。
