「全く鬼かよ」

3人で床を拭きながらさっきの光景が頭に浮かぶ。

シヲの言葉に笑いが起きた。

「うん。そうだね。私たち、シロップかけられちゃうところだったもん」

「ハハハッ。いや、あれは冗談!怒ってたけどそこまでしないよ。ごめんって」

毎年、こうやって何かしら思い出ができていく。
ただシヲの家に集まってグタグタ過ごすだけなのに3人の思い出は毎年毎年増えていく。

すごい楽しい。
空になったシュークリームの箱を捨てる。

「ねえ、これどこで買ったの?」

「ん?…あ〜、そこねチキサケっていう可愛い喫茶店なの!今度3人で行ってみようよ!お店でもケーキとか食べれるみたいだし」

チキサケ…。
へえ、そんなお店あったんだ。


「写真とろう!はい、並んで」
右からシヲ、私、南美。
背の順。

もう溶けきって液体となったかき氷が机に置かれた後ろでピースする。

来年はどんな思い出になるのかなぁ。……