キミアト、



「見てよ、この前髪」
わざと長い前髪を揺らして南美に見せる。

「あぁ、かわいそうに。…はい、これ貸すから元気だしてね。よーし。バスケしてくる!」

可愛いピン…。
これよく南美がつけてるやつ。

「みな…」
“南美、ありがとう”
そうお礼を言う前に南美は男子と混じってバスケをしていた。

すごいな、ほんと。
あんなに汗をかいても爽やかな笑顔しやがって。
アイドルかって。

南美から借りたピンで前髪をとめると気持ちが楽になった。

ポケットに入ってる小さな鏡で前髪を確認する。

「…シヲくんってかっこいいね」
急に横から可愛い声がして慌てて鏡をポケットにしまう。

隣のクラスの彩花ちゃんだ。
折れそうな体にふわふわの髪型はまさに天使で汗をダラダラかいてる私の横にいられるのがすごく嫌になるくらいだ。

「シヲ?…ああ。なんか前にバスケやってたみたいだしね。上手いよね」