――パシュッ 俺の放ったボールは、ゴールネットへと吸い込まれていった。 「はー、相変わらず上手くて腹立つわ」 恨めしそうにこっちを見てくる笹木。 あれから体育館に移動して、3対3で試合をしていた。 俺と笹木は敵同士だ。 「あ、わりー!」 花村がこちらにパスしてこようとしたボールが、勢いよく投げすぎてしまったのか、俺を大きく飛び越えた。 そして運悪く、空いていた扉から外へ出てしまったのだ。 「俺、取ってくる」 近くにいた俺は、他のメンバーに声をかけ、ボールを取りにいくことにした。