PM6:00。 バレンタインデーの終わりが近づく。 だけど私にとっては、終わったも同然。 手の中のハート形の箱を握りしめた。 憧れの先輩に渡そうと思ったのに。 勇気なんか1ミリも出なくて。 それどころか、先輩は人気すぎて近づけもしなかった。 遠い存在だっていうのはわかっていたのに、こんなに遠いなんて思いもしなかった。