亮はいつものように裕に振り回されていた。
「大体さ。なんでいつもいつも俺の前に現れるんだ」「まぁ、いいじゃないですか。て、言うより良く僕のこと怖がりませんね。」「いつもいつも現れてたら怖がりたいもんも怖がれないわ。それに俺、今でもお前のことよくわからないし。」亮は、車のハンドルから手を話して言った。「まぁ、いつか話しますよ。今はまだダメです。」裕は微笑むと言った。「いつもそれだから。で、今日は」亮はまたハンドルを握ると聞いた。「あ、そうでした。今日はあの子を追ってください。」裕は、一人の女の子を指差した。裕と亮はビクテムハンターと呼ばれる職業をしている。ターゲットは助けを求める人、その人を見つける方法は裕の力だ。裕は人の気持ちが分かる。なので、助けて欲しい人を見つけられるのだ。裕が助けて欲しい人を見つけて亮がその人を救う。「どうしてあの子なんだ」「見えるんですよ。あの子かなりのストレスが溜まってます。このままだと危ないです」裕は、心配そうに言った。「それで良く伝説のバンパイヤの子孫だよな」亮は笑いながら言うと乱暴に車を発車させた。「ちょっ、危ないです。安全運転忘れないでくださいね」裕は秘密の手帳を見ながら言った。「ふーん、虐待といじめか。そりゃなおさら助けてやりたくなって来た」亮は力強く言うと車を猛スピードで運転した。「あなたが警視庁本部の本部長でよかったよ。じゃなきゃ逮捕されてる」裕は、怒りながら言った。「そんなブツブツ言ってたらベロ噛むよ。」そう亮は言うと急に道を曲がった。「痛い。」「言ったじゃないですか」亮の運転ほど恐ろしいものはない。裕はその後を祈る気持ちで黙っていた。「着きましたよ。ここがあの子えーと空ちゃんのお家です。」亮は裕に言った。「ここか広いな」その建物はまるでお城のように大きかった。「なにしろ、空ちゃんのおじいちゃんはあの有名な政治家ですからね」亮は裕とは反対に冷静だった。「さすが、お父さんは警視庁本部長、おじいちゃんは、元大統領、祖母は有名デザイナーなことあるな。こういうお家は慣れてると」裕は納得したように言った。「関係ねぇよ。大体、こういう家嫌いなんだよな。なんかこうお金持ちアピールて言うのそんなことしてる暇あるなら自分の子供ちゃんと見ろよて感じ。お母さんもそれのせいで…」亮は今にでも倒れそうになっていた。「分かったから、亮やめとけ。それ以上言うな、この問題僕が一人で解決するからお前は車で待ってろ」そう裕は言い残すと門を通り過ぎた。亮は言われた通り車に戻った。しかし、何時間しても裕は戻ってこなかった。亮は心配になり始めた。裕に何かあったらそんなことまで考えていると裕が気分悪そうに戻って来た。「大丈夫か?裕何があったんだ」亮は裕を車の後頭部に寝かせると言った。「空ちゃんの怪我が…」「まさか、吸ったんじゃないだろうな」「吸ってない。僕血は吸わないから、でも空ちゃんの怪我酷くて」裕はそこまで言うと気を失ってしまった。「おい、しっかりしろ」亮は裕に声かけてからまた門の方に目をやった。『俺が行かなきゃ。恐怖を乗り越えるチャンス』亮は心の中で言うと車の扉を開けた。