それから、自分の家の事情を話すことにした。
「俺の親父が社長なのは知ってるよな。その社長の姉貴、まぁ、俺の伯母さんが、会長なんけど、その会長の旦那が林の伯父さんになるわけ。で、伯父さんは今、副社長やってる。」
「ああ、そういう繋がりだったんだ。」
「やっぱり、知らなかったんだな。まぁそれで、伯母さんが体調崩してさ、それまでやっていたオリジナル商品の試食を、これから誰に引き継ぐか決まって無いわけ。だから、後任を決める為に、まずは、藤堂にやらせたんだけど、、伯母さんは、藤堂だけじゃ不安みたいでさ、それで、林の伯父さんが、愛実にやらせてみたらいいって言ったらしい。」

 「それで、私にも試食させたんですね。というか、伯母さんの体調は大丈夫なんですか?」
「ああ、それは大丈夫。」
「そうですか・・・」

「ところで、愛実?なんで泣いたんだ?」
「えっ?・・・言わなきゃダメですか?」
じっと彼女を見つめていると、ポツリと話出した。

 「えっと、最初は私に話してくれないのは、信用されて無いって思ってたんだけど、、、もしかしたら、私が余計な事言ったから、、その、、愛想尽かされたんじゃないかって、そう思って、、だから話してくれないんじゃないかって・・・なんか、色々分からなくなっちゃって、そしたら泣けてきて・・・」

 俺に愛想尽かされたと思って泣いてたってこと?いや、うわぁ、マジか?そっちに考えがいったわけ。
ヤバい、だとしたら、すげー、
「可愛い。」
「はっ、えっ、ちょっ、ちょっと」
慌てる彼女に構わず、抱きついた。
少し、体重を掛けるとすぐ倒れた。
幸い、今はベッドのうえだ。
何も問題ない。
キスをしようと、少し体を起こすと、「聞きたいことが、」と言ってきた。
「あとでな、」そう言ってキスしようとしたら、手で顔を押してくる。
ちっ、と舌打ちした。
少し彼女が怯んだ隙に、強引にキスした。
段々と、彼女の体の力が抜けていく。
今回は、流されてくれたらしい。