広い。私の和室よりずっと広い。
そして、でかい、ベッドがでかい。
キングサイズ?多分。
まぁ、これなら一緒に寝ても問題なさそうだ。
ここまで来て、引き返すのも変だし。
せっかく勇気を出したのだから、もったいないって感じ。

 そーっとベッドに近づき、確認をした。
うん、やっぱり寝ているようだ。
起こさないように、ベッドに入った。

 「夜這いにきたのか?」と言われるのと同時に、後ろから抱きつかれた。
「起きてたのー?」そう、抗議すると、ククッと笑われた。
「いや、ちょっと何してるんですか?」
後ろから伸ばされた腕は、あろうことか、私の胸を揉んでいる。 
「愛実から、ベッドに入って来たんだろ。」
「そうだけど、何もしないって、、」
「何もしないとは言ってねーぞ。何もされないって分かってりゃ気が楽だろ。とは言ったけど、それは愛実の気持ちの問題だ。」
 ああ、そうですか、もう、なにも言えない。
私が大人しくなると、満足したのか、彼は「おやすみ」と言って腕を離した。
 私も、ハードルを越えた達成感に包まれて、眠りに落ちた。

 翌朝目が覚めると、何時もの布団じゃないことに驚く。
ああそっか、昨日はこっちで寝たんだった。
ふと、隣を見ると、彼の後頭部が見えた。
まぁ、起こさなくても起きてくるだろうと思い、そのままベッドをでた。