その夜。夕食を食べながら、同居に関してのルールを決める事になった。
因みに、メニューは生姜焼きがメインだ。
昨日、スーパーに連れてってもらった。
 武中さんは、車通勤なので、昨日車を出してもらった。
 ちなみに、都会の電車には慣れてないので、出来るだけ乗せてもらうことにした。
 
「家賃はいいとして、光熱費はどうします?」
家賃に関しては、会社から補助が出ているらしい。
「特に要らない」
「えっいいの?要らないって、私は、払わなくていいってこと?」
「いちいち、計算して請求するのも面倒くさいし、そこまでせこくないぞ、俺は。」
「おお、さすがぁ。」
いいとこのぼんぼんは、違うなぁ。という感想は、声には出さない。
「あっ、じゃあ、食費は私が負担します。夕飯がいらない日は前もって言ってください。」
「……」
何故か、黙られてしまった。
変なこと言ってしまったのだろうか。
「えっ、嫌でした?もしかして、他人の手料理が、食べられないとか?いや、食ってるじゃん。あっ、まさか、ま・・・」
自慢じゃないけど、料理作って不味いって言われたことないのよ。というプライドが声にでていたらしい。

 「いや、違うんだ。」と、彼は弁解をし始めた。
「君の作ったものが不味いとかじゃなくて、いや、むしろうまかったんだけど、、その、何も聞かないんだな、と思って。」
「へっ?何を?」
「美味しいですか?とか?」
「ああ、そういうことですか。それは、見れば分かります。
大体、そう言うことを聞くのは、自信がないか、あなたにアピールしたいかのどっちかじゃないですか?
私はどっちにも当てはまらないんで、感想とか、聞きませんよ。あっ、でも、嫌いなものとか、好みにあわなかったら言ってください。」
それから、彼は、グリーンピースが嫌いだと言っていた。
 しかし、やっぱりモテるんだろうなぁ。手料理作って貰うのが迷惑って、要はそういうことでしょう。今まで、アピールして来る女がいたってことでしょう。ああ、なんかムカつく。

 まぁ、彼がモテるってことはやはり、これは言っておいたほうがいいだろうと思い、口を開いた。
「あの、ちょっとお願いがあるんですが、念の為これを受けて欲しいんです。」